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第15話 燕王府の黄昏

社会は個人の幸福を許さない。 倫理とは、時に暴力である。 燕王えんおうは子供のころ、そういうものに憤っていた。 正しさとは何か。 正しいという名の下に、人を殺し、心を壊すことが正義なのか――。 ふと、過去の記憶が甦る。

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第14話 命より重い愛

桂が張玉邸ちょうぎょくていの門をくぐったとき、空気はすでに重く張り詰めていた。誰もが言葉を失い、息を詰め、ただ来たる瞬間を待っているような沈黙。庭の風でさえ凍りついたように感じられた。 背後には燕王えんおうの正妻・徐、さ

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短編作品まとめ

🌷短編作品集。永楽王朝のプロトタイプもある。画力の無さに絶望し頓挫したが、勢いを感じる。 どうせ俺、早死にするし – 成人するまで生きられない藍玉少年。諦観と希望のはざまの葛藤。 第三の目 – 過酷な現実と夢を行き来する

永楽王朝

【永楽王朝】目次

幼い永楽帝が主人公の長編漫画作品。作者のライフワーク的作品で、自分のためだけに描いており、表現の規制は無し。過剰な暴力表現があります。閲覧は自己責任でお願いします。 第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話

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【燕王府の黄昏】目次

【燕王府の黄昏】 第1話 孤月こげつに戯たわる猫 第2話 孤庭こてい、猫の影ゆらぐ 第3話 静水せいすい深く、熱情ねつじょう潜む 第4話 夜更よふけの自省 第5話 朝あさの別れ 第6話 氷檻ひょうかん 第7話 猫娘憔悴ね

燕王府の黄昏

第12話 月下の会見

夜風が肌を撫でる北平ほくへいの郊外、屋敷の一室に、静かな灯がともっていた。 李成桂りせいけいはその家の戸を叩き、無言で招き入れられる。 迎えたのは張玉ちょうぎょく―― 桂と同じ四十三歳。張の父にして、かつて桂の父・李子春

燕王府の黄昏

第11話 美女と醜女

北平ほくへいの後宮こうきゅうに、午後ごごの陽が白く差していた。簾越しすだれごしの光は庭石にわいしを照らし、風が白絹しらぎぬの暖簾のれんを揺らしている。徐じょは一人、茶を啜すすりながら庭を眺めていた。その背後に、猫のように

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