藍玉

藍玉(らんぎょく)、闇深すぎるビジネス破天荒

 

☝藍玉と一緒だとつい羽目を外してしまう幼永楽帝💙謎肉料理…?

表の顔と内なる闇

藍玉は整った顔立ちと赤みの射した健康的な頬、高身長という優雅な風貌を持つ。言動は洗練され、人当たりもよく、周囲を和ませる魅力がある。しかしその奥には、深い闇と孤独が横たわっている。
彼は破天荒な人物として振る舞うが、実際は極めて冷静で常識的な人間。その破天荒さは、あくまで「ビジネス破天荒」というべき演出であり、周囲に与える印象や影響を計算し尽くした上での行動である。

愛を知らぬ者としての苦悩

藍玉は常に無条件で愛される側の人間だった。本人はその立場に強い疲弊と孤独を感じており、自分自身をあまり好きではない。来世では醜男に生まれたいと本気で願っている。自信があるように見えても、その内面には深い虚無が広がっている。

馬皇后との関係と贖罪

藍玉は長年にわたり馬皇后と不貞関係にある。嫉妬深い彼女を傷つけぬよう、あえて妻帯しない。かつて藍玉は彼女の最愛の男性を目の前で一刀両断し、その罪悪感から彼女の心を救うことを自身の贖罪と定めている。
周囲からの冷笑や噂にも耐え続けており、それすらも罪を償う道と自らに言い聞かせている。洪武帝がこの関係を容認しているのも、藍玉の並外れた有能さゆえ。

日本刀への執着と備中青江

藍玉は日本文化を深く敬愛する親日家であり、日本刀を一万本以上所持する収集家でもある。中でも「備中青江」は特別な存在であり、藍玉の魂が宿る一振り。
藍玉は、両腕を失った日本人倭寇の剣士から口頭で剣術を学び、その教えを今も忠実に守っている。備中青江の技術は、藍玉にとって単なる戦闘手段ではなく、精神そのもの。

意志を持つ愛刀・備中青江

備中青江は意思を持ち、夢の中では綺麗な女性の姿で現れる。彼女は嫉妬深くも献身的であり、藍玉に強い愛情を向けている。彼女を手放すと藍玉は酷い喘息発作に見舞われ、命の危険すらある。
しかしその強すぎる愛情もまた、藍玉にとっては重荷である。彼女の想いが異性としての愛であるため、藍玉は一層距離を感じざるを得ない。それでも彼女を手放せないのは、生きるための力と死への恐れのなさが絶妙に共存しているからである。

戦闘スタイルと死への無関心

藍玉の戦い方は冷静で無駄がなく、一太刀にすべてを込める技術に支えられている。備中青江を魂で振るうことで、敵を一刀両断する恐るべき威圧感を放つ。死を恐れず、むしろ受け入れているため、捨て身の戦術もためらいなく用いる。
彼にとって生も死も等価であり、ただ過去の罪と対峙し続けることだけが、生きる理由となっている。

喋る犬(ブースカ)との生活

藍玉は謎多き喋る犬を飼っている。腹話術や幻覚ではなく、文字通り言葉を発する犬である。彼にとっては日常の一部であり、犬もまた主に対して特別な思いやりを持っている。
李成桂はこの犬の正体にすぐ気づくが、何も言わない。指摘することすら野暮だと感じており、ただ静かに見守っている。藍玉もその沈黙に感謝しており、この不思議な同居は一種の癒やしでもある。

李成桂との関係

李成桂は、藍玉の抱える闇や脆さを見抜いている数少ない人物。それでも彼は何も語らず、黙ってそばにいる。その静けさが藍玉には何より心地よく、常識的な本来の自分を見せられる唯一の相手になっている。あとは喋る謎多き犬(ブースカ)。

燕王との関係と深い敬愛

燕王(後の永楽帝)は、幼少期から藍玉に強い憧れを抱いていた。生真面目な彼にとって、藍玉の破天荒な姿勢はまさに理想像だった。その影響で、燕王は自分の性格に自尊心を持つようになり、藍玉のような存在になることを目指したくらい。
燕王は藍玉に実父を殺されたという重い過去を持つ。それでも彼は藍玉を恨んでおらず、むしろ深い敬愛の念を抱いている。藍玉がどれほど孤独で可哀想な人物かを理解し、同情しているのである。
さらには、藍玉と母・馬皇后の情交を目撃したことすらあるが、それも受け入れている。燕王にとって馬皇后は母というより“血の繋がった存在”でしかなく、真に育ててくれた母は別にいる。

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